Rapala catalog 2017
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7Column「なぜ魚はルアーに食いつくのだろう?」「釣れるときと、釣れないときの動きの違いは?」 多くの疑問は水の中。この疑問を解き明かすため、2000年の秋、僕は水中撮影を始めた。当時、夜行性と言われていたシーバスの水中映像はこの世に存在しなかった。カメラと撮影方法に工夫をし、捕食シーンの撮影に成功した僕は、ラパラから一本のビデオ「シーバスライブ」を発売した。水中撮影の創始者である須賀次郎氏に撮影映像を見てもらったとき、彼は ブログにこう書いている。「僕の潜水生涯で、大成功はいくつもあるが、悔やんでいることもいくつかある。一つは与那国の海底遺跡だ。すぐ近くまで行きながら、第一発見者になれなかった。この芝浦運河のスズキも悔やむことの一つになるだろう。でも、本当に素晴らしい撮影で、賞賛を惜しまない。」真実は水の中なぜ魚はルアーに 喰いつくのだろう?僕が東京の海で見て学んだこと。みんなにカタログに書かれていないことを教えよう。水中撮影では、カメラのレンズ前30cm以内で捕食させないと迫力ある映像は撮れない。僕はルアーをカメラ前で捕食の動機付けとなるアクションを作り食わせることをCD7の撮影で学んだ。      CDのようなバルサ製の      ラパラだが、天然の木と      いうものは密度が同じで      ないため、一つとして同      じものは作れない。      つまり、一つとして同じ      比重のものはないのだ。       しかし、ラパラのルアー      にハズレとアタリがある      など聞いたことがないだ      ろう。そう、全てはアタ  リなのだが、何十個に一個「大あ  たり」ルアーが存在する。これは、  動きを停止した後などに発生する  「ゆらめき」が絶妙となる浮力のル  アーだ。 猫と猫ジャラシに回答は  ある。リアルなネズミに似た猫ジャ  ラシがあっても猫は見向きもしない。  アクション、動と静の間にあるもの。  サッと動いて急に止まる。止まった  ときの揺らめきのような微妙な動き。これが捕食行動のきっかけとなる。カメラの前まで食わさないで追いかけさせ、カメラの前で食わせるというテクニックは、この速度差と揺らめきを使ったものだ。バルサと同じことはプラでもできるが、バルサの「大あたり」ルアーにはかなわない。手に入れば幸せだ。いや、違った。ルアーに頼らない自分の作り出したアクションで釣った一匹こそ、価値ある一匹なのかもしれない。失礼。                        榎本 茂

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